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ベイカー寮221B/Baker House 221B

パペットホームズ、大河ドラマなどの好きなテレビ番組やラグビーについて書いています。アフィリエイトはやっていません。/Welcome to my blog. I write about some Japanese TV programmes including NHK puppetry and Taiga Drama, Sherlock Holmes and rugby. I don't do affiliate marketing.
ベイカー寮221B/Baker House 221B TOP  >  炎立つ

『平清盛』DVD第十巻を観て

久々に『平清盛』です。我が世の春を謳歌するようになった平家ですが、その一方で慢心ぶりが目につくようになります。清盛は自分こそを日本の頂にと考えるようになり、秘密警察ともいうべき禿を放ち、これが基で兎丸と袂を分かちます。

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嘉応元(1169)年。清盛は福原に居を構えることになり、重盛が平家の棟梁となった。しかし重盛は時子の子ではなく、そのため清盛と時子の間に生まれた宗盛の存在を気にしていた。その宗盛は、叔母であり、皇太后でもある建春門院滋子から重用されていた。
そして後白河上皇も出家するが、ここでひとつの事件が持ち上がる。後白河は出家に延暦寺を選ばなかったため、天台座主の明雲はこれを快く思わなかった。そして延暦寺は、尾張国での紛争に端を発して強訴を起こし(嘉応の強訴)、藤原成親の配流を求める。
清盛は、重盛に延暦寺といい関係を保つように言われるものの、成親は義兄であり、自分の心中をも打ち明けた人物でもあるため悩む。さらに時忠に不備があって感触を解かれ、成親は無罪となった。これを巡り、武装した武士たちが重盛の許へ押し寄せるが、そこへ後白河法皇と清盛とが姿を現す。一方伊豆では、狩りをしていた北条政子が、父と頼朝が共にいるのを目撃していた。

頼朝は時政の身内ということで北条家を訪れる。そこでは平家の政に対する不満が高まっていた。その清盛は、宋との取引を重視しており、さらに朝廷の威を見せつけるべく、奥州藤原氏の棟梁(御館)秀衡を鎮守府の将軍に任じた。そして清盛は奥州から得た鳥の羽を宋からの物として、朝廷へ献上する。これには官職を解かれた時忠が一役買った。さらに清盛は宋の使者を福原に呼んで、後白河法皇と滋子に面会させる。
一方で平家の慢心を象徴するような事件が起こる。重盛の二男、資盛が鷹狩から帰る途中、輿が摂政基房の乗り物とすれ違っても道を譲らず、基房の随員たちから暴行を受ける。一門からは訴え出るべきと不満の声が上がるが、重盛は資盛に非があると言う。しかしその後基房の輿が襲われ、そこには時忠が法皇に進呈して、自らも身につけていた羽が残されていた。
この頃から、赤の衣装に赤い羽をつけた禿が、平家をよく思わない者たちを制するため都を跋扈するようになる。そして頼朝は清盛のこと、さらに父義朝への批判を耳にし、源氏は滅びぬと口にする。

政子は父時政が連れて来た、佐殿と呼ばれる頼朝のことが気になっており、父にどのような人物であるのかを聞く。時政は源氏の御曹司であることを明かす。そして清盛は大輪田泊の完成を急がせており、兎丸は宋船を入港させるための妙案を思いつく。その頃時子が病という知らせに、清盛は京へ戻るものの。時子は意外に元気そうだった。
時子は重盛が体調不良で権大納言を辞しており、京へ戻ってくれと頼むが、清盛は取り合わず、後白河法皇に羊と麝香を献上し、娘徳子を入内させることにする。以仁王の母である八条院暉子はこれを快く思わず、都で流行る疫病は羊のせいと噂を流す。
その一方で禿による取り締まりは激しさを増して行き、兎丸はこれはやり過ぎであると言うものの、清盛はやめようとせず、その傍ら徳子の入内を急がせる。同じ頃、鞍馬寺にいた義朝と常盤の子、遮那王(牛若)は、法会の笛を担当する者の代役を命じられ、寺を出て京へ向かっていたところを荒法師に出会う。

その荒法師は弁慶といった。源氏挙兵の目的で道行く人から太刀を奪っており、お前で千本目だと襲い掛かるが、遮那王は巧みに身をかわす。遮那王は自分は常盤の子で、清盛は父同然だと思っていると言い、弁慶を驚かせる。福原では万灯会が行われていたが、兎丸は清盛のやり方を疑問に感じるようになっていた。
やがて徳子は入内し、清盛は宋の明州から文を受け取る。この明州には、皇帝の兄である趙伯圭が関係しており、清盛はこの人物を迎えるためさらに泊の工事を急がせる。しかしこのために事故が起き、兎丸は「お前の国造りは盗賊がもの盗むんと同じや」と言って福原を出て行き、京へ戻る。
かつての仲間たちと共に海賊に戻って、宋の船を襲う計画まで立てる兎丸だが、そこに現れたのは禿たちであり、彼らは兎丸を殺してしまう。兎丸の遺体のそばには、衣装の赤い羽が散乱していた。清盛は時忠に禿を処分するよう命じ、兎丸の仲間たちが清盛を暗殺しようとやって来るも、ひたすらいくつもの石に経文を書き、その石を載せた船を泊に沈める。盛国はすべて殿の慢心によるものと直言し、お心の中にだけある国へ進む覚悟がおありなら、自分もついて行くとほぞを固める。

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サブタイトル
第36回「巨人の影」
第37回「殿下乗合事件」
第38回「平家にあらずんば人にあらず」
第39回「兎丸無念」
まず、あらすじでは触れていませんが、後白河法皇が滋子や側近たちに「大きな物を食べてみよ」と言い、何を食べたのかを問いかけるシーンがあります。大抵の場合それほどのものかと一蹴されてしまうのですが、清盛だけは法皇の自分に対する「如何なる野心を持っておるのか」の言葉尻をとらえて、その野心こそが自分が食べたものであると言います。そして法皇がそれを召し上がるのなら、腹を蹴破って出て来ると言う辺り、かなり挑戦的ではあります。そもそも徳子の入内もごり押し的ではありますし、また八条院暉子と以仁王が登場しますが、この以仁王は皇位継承の有力候補でありながら、高倉天皇の母建春門院滋子の妨害に遭ったともされています。平家に反対の意見を唱える人々が、段々と多く登場するようになって行きます。

清盛の野心の表れのひとつが「禿」です。正直な話この大河の禿は少々不気味で、何か舞台の演出を彷彿させるところがあります。羽をつけさせたのは、奥州からの羽とつながりがあると思われますが、実際奥州産の鷹の羽は朝廷への献上品として有名でした。これは『炎立つ』にも登場しています。その『炎立つ』の主人公である奥州藤原氏も密貿易を行っており、清盛はこれに目をつけていたようです。

そして、これは当然といえばそうではありますが、後白河法皇の物言いに「ヒー様」を連想しがちになります。高位の人物らしく感情を押し殺した感じの言い方で、それが人を圧するように聞こえるせいでしょう。

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[ 2019/04/20 00:15 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

西行法師に関していくつか

今回は、阿部正弘の後継者堀田正睦について書こうと思ったのですが、多少予定を変更し、阿部正弘を演じた藤木直人さんが、『平清盛』で演じた西行法師関連で書こうと思います。年齢を重ねるごとに、権力への執着心が強くなる清盛とは対照的に、西行は淡々とした、しかし鋭い人物であり、彼が詠んだ願い通りに、建久元(1990)年春に没することになります。この人も元々は佐藤義清という武士でしたがなぜか武士を捨て、妻子を捨てて出家してしまうわけですが、これにはいくつかの説があるようです。

また同じ時代ということもあり、『炎立つ』にも西行が登場して、鎌倉で頼朝に会った後、奥州まで出向いています。元々西行は、出家後は各地を遍歴して方々に庵を結ぶという、何とも自由闊達な人生を送っていました。それを見た藤原泰衡が、あのような生き方をしてみたいといったセリフを口にするシーンがあります。この泰衡を演じたのは渡辺謙さん、つまり今回の斉彬です。この時西行を演じたのは柳生博さんで、晴れ渡った空の下、雪が積もった中を去って行くところが如何にも清々しい印象がありました。

西行といえば、百人一首にもその歌が選ばれています。
「嘆けとて 月やは物を思はする かこち顔なる我涙かな」
という歌で、本当は恋の悩みにも関わらず、あたかも月が自分に涙を流させているようだという意味ですが、出家の身にも関わらず恋の歌が多く、これがこの人物の特徴でもあります。百人一首といえば、以前会津の木札の百人一首について投稿したことがありました。この小倉百人一首についてもまた、機会があれば書いてみようと思います。

飲み物-コーヒーフロート
[ 2018/04/10 23:45 ] その他 | TB(-) | CM(0)

風林火山徒然-40

第42回、勘助と景虎が高野山で出会う回です。由布姫逝去後、喪失感を抱えた勘助は晴信に文を送り、高野山へ赴きます。一方景虎はといえば、家臣たちの領地争い、ひいてはそれによる派閥争いに嫌気がさして春日山城を出奔し、こちらも高野山へと向かいます。最初は勘助と、いわばニアミス状態になるわけですが、その後二人で斬り合いとなり、無量光院の住職清胤から、何が修行じゃと諫められます。場所が場所だけにこれは当然でしょう。

その後二人は曼荼羅を見せられ、和とは何であるかを説かれるわけですが、その翌日に二人で朝食を摂っているシーンで、出家をすれば晴信を討てなくなると、景虎自ら苦笑するところで、観ている側も苦笑させられます。しかしなんだかんだと言いつつも、景虎は畢竟武人であり、俗世界の人物であることは間違いないのですが。結局景虎は、長尾政景と直江実綱が高野山を訪れ、大熊朝秀が謀反を起こしたことを聞いて下山します。

ところで勘助が旅立つ前に、由布姫の侍女であった志摩が、妻を迎えて山本家を絶やさぬようにとの姫との約束を、守ってくれと念を押します。どうも勘助が高野山に向かったのは、由布姫を失ったこともさることながら、これについて考える目的もあったのではと思うのですが…。結局勘助はリツを妻としてでなく、養女として迎え、しかるべき武将と結婚させることにします。これが勘助に取っての、いわばぎりぎりの妥協点でした。

ところで夫婦を養子にするというので思い出すのが、清原真衡です。この人は平安時代後期の、出羽の豪族清原武貞の嫡男でした。しかし子供がおらず、本来なら一族から養子を迎えるべきところを、平氏の流れを受け継ぐ男子と、源頼義の庶出である女子を夫婦とし、迎え入れたという話があります。真衡の場合は清原家の格を高める狙いもありましたが、一門でのいわば独裁を進める目的もありました。そのため勘助の夫婦養子構想とはかなり異なっています。

それからこの『風林火山』をはじめ、大河ドラマには騎馬武者が登場するOPの作品がいくつかあります。実際に観たことがある作品としては
国盗り物語
武田信玄
太平記
炎立つ
風林火山
が挙げられます。
このうち『国盗り物語』はどちらかといえば合戦ですが、かなり馬に焦点を当てたOPとなっています。『武田信玄』は「風林火山」の4つの映像を背景に、騎馬武者が進軍して行く有様を描いていますが、どうもこの火のイメージが、その後の『太平記』、『炎立つ』にも受け継がれているようです。実際『武田信玄』と『太平記』のOPは何かしら似ていますし、『太平記』と『炎立つ』も、武者たちが一斉に登場するシーンは共通しています。『風林火山』は『国盗り物語』同様、馬の動きをメインにした部分もありますが、『武田信玄』を意識した部分もあります。個人的に赤石山脈と、トメのクレジットに入る前の武田菱の旗が上がるシーン、あれが好きなのですが。

飲み物-パブのビール2
[ 2018/01/27 00:00 ] 大河ドラマ 風林火山 | TB(-) | CM(0)

風林火山徒然-39

太原雪斎と由布姫退場回、無論歴史的には雪斎の方が大きな存在ですが、勘助に取っては由布姫の方が、恐らく大きな存在であったでしょう。無論由諏訪御料人が、勘助にこれだけ大きなインパクトを与えたというのは、井上靖氏の創作ではありますが。しかし普通に考えれば、晴信ではありませんが、男性が一緒にいてくつろげない女性でもあり、そこに秘められた恋があってこそ、勘助も困らされたり、あるいは迷惑をかけられたりすることをも受け入れたと考えられます。

その姫が最後になって、嫁を迎えるように、山本家を絶やさぬようにと勘助に命じます。恐らくはその山本家が、後々諏訪家を継ぐであろう四郎の、支えとなってほしいという意味合いもあったかと思われます。しかし勘助はわからなかったのか、わかっていたけど敢えて知らぬふりをしていたのかはともかく、リツを妻にするかどうかでその後も迷います。勘助にしてみれば、由布姫だけが人生で唯一の女性と感じていたのも事実でしょうが、いささかリツが浮かばれないように思います。

そして雪斎。越後からあたふたと駿河まで戻って来たのはともかく、すぐさま酒を飲むというのは、年齢的にちょっと厳しかったのではないかとも思います。正直、よく元信が疑われなかったなと考えたくもなりますが、元信はこの時未だに今川の人質であり、雪斎を暗殺して得るものは何もありませんでした。これによって今川家が傾き、桶狭間の敗北を引き起こしたともいわれていますが、さてどうでしょうか…。それにしても昨年は雪斎の出番が少なかったです。そして今年は新旧雪斎が、井伊直弼と水戸斉昭で登場予定です。

そしてこれは由布姫への思いやりでしょうが、彼女の意見を入れて木曽攻めに取り掛かった途端、景虎進軍の狼煙が上がります。木曽攻めで思い出すのが、やはり『真田丸』冒頭の、木曽氏の武田離反です。この当時の当主であった義昌の夫人が、晴信と油川夫人(ドラマでは於琴姫)の娘真理姫でした。実はこの真理姫は結構長生きだったのですが、それは「歴史的背景」でやりたいと思います。

ところでその真理姫が、貝合わせで遊ぶシーンがあります。平安時代から続く遊びですが、『炎立つ』にもこれで遊ぶシーンが登場します。安倍頼良の娘結有と、貞任の妻流麗(るり)がそれで遊んでいるのですが、その当時、陸奥の奥六郡にも既に伝わっていたのでしょうか。しかもこの時、流麗がつけていた腕輪のことで2人が揉め、元々婚家にいい印象を抱かない流麗が、さらに憎しみを増して行くことになります。

飲み物-赤ワイン
[ 2018/01/19 00:45 ] 大河ドラマ 風林火山 | TB(-) | CM(0)

『炎立つ』第一部 北の埋み火 第一回「黄金の王国」

『炎立つ』第一回です。『平清盛』が終わってからにしようと思いましたが、今月末くらいになりそうなので、まずこちらを投稿することにしました。亘理権大夫である藤原経清が、有力豪族の安倍一族の婚礼に招かれ、その栄華を目の当たりにします。

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延暦20(801)年、征夷大将軍坂上田村麻呂は東国平定を行い、胆沢の豪族の長、阿弖流為(アテルイ)と和睦した。その後阿弖流為と従者の母礼は都へ行ったが、彼らを待ち受けていたのは斬首の刑だった。

時が流れて永承4(1049)年、奥州の一部である奥六郡は、朝廷の影響を受けず、安倍氏が独自に支配を行っていた。その当時は末法が始まるまで数年の時期で、あちこちで納経が盛んになっていた。そんな折、奥州の亘理権大夫、藤原頼遠の嫡男経清は、父と離縁した母の安乎根から文を受け取る。それには、アザラシの皮を調達したいとあった。

病床の父頼遠は、陸奥に行くのを嫌がり別れた妻が、今更無心をするのにいい顔をしなかった。また修験者しか入れぬ山へ、経を埋めて来てくれと頼まれる。経清は、今は頼遠の継室で、何かにつけて嫌味な口を利く多磨、そして異母妹と暮らしていた。その2日後、経清と陸奥守藤原登任(なりとう)は、安倍頼義の二男、貞任の婚儀へと向かっていた。

雪の多い時期で、経清はまず陸奥守の城である多賀城で一泊し、寒いと不平たらたらの登任をなだめつつ、更に翌日船で日高見川(北上川)を上った後に衣川に到着した。その時登任は蝦夷の刀を経清に見せ、雅のかけらもないとけなすが、経清は逆に、このような大きな刀を振り回す彼らに畏怖の念を抱いた。

衣川では彼らのために宿舎があてがわれ、女たちが登任の接待をした。客人には当時珍しい茶が振舞われ、宋の物と思しき陶磁器や砂金など、贅を極めた品々が並べられていた。貞任の弟、宗任が客人の応対をし、これらはすべて陸奥守への引き出物であることを告げた。小心ながら欲深い登任は、それらの品物に目がくらんだ。経清は、船に経を忘れたのを思い出して取りに戻った。そこへやはり婚儀の参列者で、頼良の娘菜香を妻に迎えていた平永衡(ながひら)がやって来る。

2人は船内に入り、永衡は貞任の新しい館が、要塞のような造りになっていること、これで衣川の防御が増したことを伝える。そして夜中過ぎ、経清は経を携え、従者である瀬田剛介、小田忠平を伴って馬を走らせた。経を埋めた後、彼らは巨大な金鉱を発見する。金鉱では雪の中、人々が作業に追われていた。その3人に矢が飛ぶ。そこへ現れた男乙那は、この場を見た限り生きては返さぬと言い、3人は囚われの身となる。

そこへ毛皮をまとった娘が現れ、番をしていた男に用を言いつけてその場から話す。彼女は牢に歩み寄り、経清に、自由にするから都へ連れて行くようにとの約束をさせる。解放された3人は安倍の館へと戻り、経清は貞任の婚儀に出席する。その場には、花嫁の父である金為行もいた。まず豪勢な衣装をまとった花婿の貞任と、男たちが現れた。また、頼良が息子を引き合わせ、金杯を登任に献上した。危うく金杯を落としそうになり、下卑た笑い方をする登任。

しかしそつのない対応をする頼良に引き換え、武芸では奥州一と謳われる貞任には、まるで愛想というものがなかった。頼良は、都の礼儀を知らぬ武骨物ゆえとその場を取りなす。次いで花嫁の流麗と女たちが現れる。その中の一人、結有に経清は見覚えがあった。自分たちを牢から解放してくれた、あの娘だったのである。この結有のみが側室である沙羅の娘で、菜香の母親違いの姉であった。

永衡は経清に、あの娘は美しいがとんだお転婆者だと警告する。そして宴もたけなわとなり、貞任は妻をそっちのけで、経清の前に座り、杯に酒をなみなみと注いで強引に勧め、更に安倍の者しか見てはならぬ物を見たなと話しかける。それを軽くいなす経清に、只者ではないことを悟る貞任。この婚儀の宴は三日三晩続いた。高価そうな陶磁器を見て、登任は密貿易をしているのではあるまいかと疑うが、永衡は、博多で買い付けた物でしょうとその場をとりなす。その後経清と登任たちは衣川を後にする。

その頃、頼義の側室沙羅の父、吉次の館ではある話し合いが持たれていた。頼良が己の財宝を見せたがゆえに、登任は欲を出すのではないかと吉次は懸念する。しかもアラハバキの神の巫女である沙羅は、占いの結果では戦が起きるとも口にする。戦はないと頼良は考えるが、吉次は、沙羅の占いを疑ってはならぬと言い、また、己の器量を知らぬ者ほど、それをわきまえぬ者だと訓し、経清を大事にせよと話す。

一方経清や登任たちは再び船に乗り込んでいた。安倍の財宝を目に焼き付けた登任は、今度は絞れるだけ絞り取ると公言する。しかしこの帰りの船に、とんでもない人物が乗り込んでいた。それは結有であった。結有は、自分を都へ連れて行かないと戦になると明言する。

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まずこの大河は、『風と雲と虹と』(1976年放送)に続いて、歴代大河の中でも2番目に古い時代を扱っています。しかも蝦夷(えみし)、坂上田村麻呂の平定後は俘囚(ふしゅう)と呼ばれた東国の人たちを描いているため、衣装も大陸風ですし、雪深い土地でもあるわけで、通常の大河とは異なった趣があります。ロケシーンが非常に多く、雪も本物であるため、かなりリアリティがあります。(結構寒かっただろうなと思いますが)また里見浩太朗さんが阿弖流為と頼良、塩見三省さんが母礼と安倍良照の二役を演じています。

藤原経清は藤原秀郷(田原藤太)の流れを汲む家柄であり、父頼遠は陸奥国に、経清を伴って下向しています。その際に東国へ行くのを渋った母は離縁し、他の貴族と結婚しますが、その母が無心の手紙を送ったことに、頼遠はもちろんいい顔をしません。一方経清は、国司の藤原登任と共に、安倍一族の館がある衣川へ向かいます。2日掛けての旅の後、通された屋敷の品々の豪華さに登任は目を丸くします。元々金目の物に目がなく、賄賂なども好きそうな人物なのですが、新郎の貞任の弟宗任に、すべて引き出物としてお送りするといわれ、登任は手放しで喜びます。

しかし安倍氏当主の頼良の娘、奈香を嫁に迎えた平永衡は、安倍氏が防御を強めていることを経清に教えます。また経清と従者たちは金鉱を目にしてしまい、囚われの身となりますが、それを救ったのが結有でした。経清はこれで借りを作ったことになり、交換条件として都へ連れて行くことを約束させます。この結有が結構じゃじゃ馬でうるさくて、それゆえに経清は惹かれてしまうわけです。若干『真田丸』のきりに似たところもあります。

金杯までもらった登任は上機嫌ですが、同時に安倍一族から金をむしり取ることを目論みます。一方この富をよそ者に見せてしまったことで、沙羅の父である吉次は今後のことを憂えます。さらに沙羅の占いでは、戦が起こるという結果が出ています。この当時は結構占いの結果も物を言う時代であるため、沙羅の意見も無視できませんでした。しかし吉次が経清を大事にしろと言う辺り、恐らく彼の技量を見込んでいたのでしょう。

ところでこの占いというのは、『風林火山』の諏訪大社の占いを思わせるものもあります。この場合は、諏訪家は元々神官の家柄であり、大祝(おおほうり)も出しているということもありますが、この時も東から災いが来るという結果が的中し、武田が諏訪を攻めるに至ります。

結局この時の出会いが元で、経清は当初は源義家に臣従し、朝廷側について安倍軍と戦うものの、後に安倍に投降し、朝廷軍を相手に回すことになります。所謂前九年の役ですが、経清が後の奥州藤原氏のいしずえを築くことになり、その実現は結有との息子の清衡に託されます。それにしても経清の母の文にあるアザラシの皮、当時はかなり珍重されたようです。

尚この中で、経清の従者小田忠平を演じているのは、あの稲垣吾郎さんです。ちょっと意外でしたが、なかなか様になっています。

[ 2018/01/18 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

おんな城主直虎まとめ3 OPその他とスタッフの思惑

まとめその3です。この大河のOPは「戦う花」をイメージしたということで、花や植物のCGが使われていました。井伊家の没落と再興を表現したと思われます。ただ女性だから花というのもステレオタイプですし、真ん中あたりの椿と矢が飛び交うシーンは、ちょっとどうかと思いました。それとOPテーマも、かなり凝った印象はありましたが、その反面、『風林火山』や『真田丸』のような力強さや素朴さはなく、すぐに覚えられるメロディーでもありませんでした。女性が主人公の大河で、テーマも含めたOPが一番工夫されていたのは、やはり『花燃ゆ』でしょう。あの点は評価できます。

それから衣装やセット関連です。直虎のおかっぱとパッチワーク打掛、出家のまま後見人となったにしては、どこかそぐわないものがありました。尼頭巾と法衣姿でよかったと思います。それと今川家のメタリック裃と胴着、今川家の家臣をわかりやすくする目的だったのでしょうが、殊更にメタリックにする必要はなかったかもしれません。これも「竜宮小僧」同様、後になるにつれて影が薄くなって行きました。それとおとわが打掛を持ち運んで出先で羽織るシーン、あれもおかしいし、井伊直盛のような国衆クラスなら、甲冑の下に鎧直垂を着ていてもよかったかと思います。

セットに関していえば、長篠の戦いが一応ロケをやっていたのに、伊賀越えがセットだったのもどうかと思います。尤もこの大河の場合、明智に追われていないわけですから、伊賀越えそのものに必然性がなかったともいえますが。それと竜宮小僧の井戸も、もう少しそれらしさを出してほしかったものです。あれでは単なる待ち合わせ場所です。それから猫と鶏が多く登場していましたが、これは『平清盛』を連想させました。あの大河の猫の多さは前代未聞でした。今回はそれより少ないにせよ、恐らくは人間よりも、猫の方がインパクトが大きかったかもしれません。

全体として戦シーンがないこともあり、最初の方をのぞけばこじんまりした、別の見方をすれば、終始狭い世界の中で展開した大河でした。井伊谷以外では、せいぜい気賀が出て来た程度でしょう。無名の女性であるため、そうならざるをえないのでしょうが、やはりこういう人物を主人公にしたことには不満があります。しかもベルばらだのスカーレット・オハラだの、殆ど、岡本Pの個人的趣味と思われる発想をベースにした制作方針だったようですが、そういうのを大河でやるべきではありませんでした。またその割にはせせこましくて、辛気くさく感じられました。

それから森下佳子さんの脚本も、キャラ設定がかなりぶれた印象がありました。やはり史料の殆どない人物はあれこれ手を入れられる分、ぶれやすいと思われます。それと森下さんのコメントで、史実から解放する云々もさることながら、オノマトペ、つまり擬声語の使用が多いなと思います。パーッと終わるとかガチャンとか。無論場合によっては、こういう表現が功を奏することもあるのですが、特に必要もないのにやたらに入れまくるというのは、文章を書く職業の人としては、何か無神経だなと思います。

ちなみに『西郷どん』のガイドブックを読んでみましたが、流石に今回は、このようなコメントはありませんでした。来年もどうなるかはわかりませんが、まず観ないことには何ともいえませんし、私は中園さん脚本の作品を殆ど観ておらず、具体的なイメージが掴みにくいせいもあります。恐らく『翔ぶが如く』よりもややソフトで、奔放な雰囲気の作品になるのではないでしょうか。ただ来年の方がベテランの俳優さんが多く、その点では今回よりももう少し締まるかと思います。というか、締まってほしいです。

しかし大河は原作付きの方がやはりいいでしょう。ここ20年ほどでオリジナルが主流になりましたが、脚本家のカラーが強く出やすいこと、また主人公によっては、ありえない創作中心になりがちなことから、原作をもう一度見直す時期に来ているのかもしれません。今『炎立つ』を観ていますが、この作品の第三部は原作の出版が間に合わず、中島丈博氏のオリジナル脚本になっています。案の定、それ以前とではやはり差がありますし、全体としては男性の物語ですが、ちょっとスイーツ的な描写もあります。

今回の『おんな城主 直虎』は、『花燃ゆ』よりもあくが強い部分もあり、その部分をどう解釈するかで評価が分かれるように思います。ただ私としては、生首だの処刑だのが如何にもアリバイ的で、このドラマの基本的な部分、つまり「おとわと男たち」の部分と馴染みにくいなと思いました。また本来は感動するべきなのでしょうが、どこかベタで、観ている方が気恥ずかしくなるようなシーンもありました。要は訴求対象が非常に限られており、そのコミュニティの中では受けたけれど、それ以外はそうでもなかった、そういう大河であったともいえます。

飲み物-キャンドルとワイングラス
[ 2017/12/27 23:30 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

大河ドラマ雑考-26 戦闘シーンの有無

大河ドラマには戦闘シーンがないといけないとは、大河ファンが多かれ少なかれ考えていることです。しかし戦闘シーンには経費がかかります。今の大河は一話当たり6000万円ほどの経費がかかっているそうです。当然これには出演料も含まれますから、それだけの予算で戦闘シーンまでできるのかどうか。『葵 徳川三代』であれだけの関ヶ原のシーンが撮れたのは、そこそこのお金をかけていたからだそうですが、そのためこの作品の映像が、その後の作品の関ヶ原シーンで使いまわされています。

経費がかかるのみならず、ここ何年かのように、戦国と幕末を交代にやっていると(『平清盛』を除く)、当然ですが、同じ合戦のシーンが何度も登場します。関ヶ原などはその好例でしょう。それを考えれば、『真田丸』で関ヶ原を殆ど描かず、上田合戦を描いたということは冒険でもありました。しかしそうなればそうなったで、やはり関ヶ原がないといけないという意見もあるようです。マンネリを脱するのであれば、どこかで捨てなければならない部分はあるのですが。

その一方で描かれない合戦もかなりあります。また名前が出るだけで、実際の戦闘シーンがない物もかなりあります。それと経費削減のために、あるいは女性が主人公だから、戦闘シーンは描かないというのも疑問です。こういうのも何やら後ろ向きな発想です。ならば経費を出せるようにすればいいわけですし、主人公が女性であろうが男性であろうが、描くべき合戦はきちんと描く、これでいいでしょう。

実際『直虎』でも、たとえば武田の駿河侵攻の際の、薩埵峠の戦いなどは当然描かれてしかるべきでした。これが予算のためだったのか、あるいは女性主人公だったからか、その両方が原因なのかは不明ですが、この合戦を描く好機だっただけに残念です。では戦闘シーンがないから、他の部分が充実しているかといえばそうでもありません。一体全体、何のための戦闘シーン削除なのかと思います。大河が面白くなくなるわけです。

無論80年代ごろの、戦闘シーンが多い大河であっても、実際はスタジオ撮影もかなりありました。主だった合戦シーンはロケ、局地戦はスタジオと撮り分けていたようにも見えます。その当時の予算がどのくらいだったのかは知りませんが、こういう部分でやりくりしていたのかと思えなくもありません。本当はすべてロケがいいし、実際多くがロケシーンの『炎立つ』を観るとよけいにそう感じます。経費は削りたい、でも一年物の大河は続けたいという方針だと、どこか中途半端な作品しか生まれなくなるようです。

我々が観たいのは、そういう中途半端な作品ではないのですが…制作側はそのことをきちんと考えているのでしょうか。

飲み物-バーのラテフロート
[ 2017/12/19 22:45 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

『炎立つ』についてのあれこれ 3

『炎立つ』について3度目です。第三部に入ると藤原秀衡の時代となり、所謂源平物と同時代になります。そして鞍馬山を抜け出した遮那王、後の義経が奥州を訪れます。この大河では奥州藤原氏がメインであり、秀衡と共に泰衡も主人公であるため、義経の描かれ方がいくらか軽めになっています。たとえば『義経』などの描写では、義経が凛としていて、藤原泰衡が小物に描かれていますが、それの逆と考えるといいでしょう。

秀衡は「御館」(みたち)と呼ばれています。「お館様」あるいは「お屋形様」と同義と考えていいかと思います。元々これは国司を呼ぶ時に使われる言葉で、時代が下るにつれ、国司に取って代わった守護大名の呼称となります。この秀衡は義経に理解を示し、頼朝との関係悪化から逃れて来た際にも匿いますが、秀衡の死、泰衡の家督相続と共に関係が悪化して行きます。頼朝から圧力をかけられ続けた泰衡は、この大河ではそのことで、ひどく悩む設定になっています。

しかしこの第三部、やはり原作をベースにしていないため、第一部、第二部に比べるとやや迫力に欠けます。原作の遅れにより、オリジナルにせざるをえなかったというのがその理由のようです。また、元々秀衡役だった北大路欣也さんが降板し、代役として渡瀬恒彦さんが秀衡を演じています。なおガイドブックには、北大路さんが秀衡役として紹介されています。原作がほぼ同時出版というのは、リスクがやはり大きいようです。

ところでこの第三部で、毬杖(ぎっちょう)が登場します。名前の通り、毬と杖を使って行う、フィールドホッケーのような遊びです。

炎立つ毬杖1
(『炎立つ』DVDシリーズより)

こういうのが登場するのは、その時代らしさがしのばれ、なかなかいいなと思います。またこの大河は、えさし藤原の郷で多く撮影を行っているため、当然ながらロケが多く、スタジオでの屋外を想定した撮影の狭苦しい印象がありません。それぞれの季節の雰囲気、たとえば紅葉なども自然ですし、秋から冬のシーンで吐く息が白いのもリアリティがあります。本当は大河はもっとロケをやるべきなのでしょう。

ところで義経を演じている野村宏伸さんですが、『独眼竜政宗』で、政宗の子秀宗を演じています。やはり『炎立つ』の安倍貞任役の村田雄浩さんも、政宗で茂庭綱元を演じていますし、頼朝役の長塚京三さん、そして清原真衡役の萩原流行さんと、政宗出演者で炎立つ出演者は結構います。藤原経清と、藤原泰衡の二役を演じた渡辺謙さんはいわずもがなです。同じ東北つながりということもあるのでしょうか。

ちなみに『義経』を先日久々に観ました。OPテーマが『葵 徳川三代』と似ているなと思っていたら、同じ岩代太郎さんの作曲でした。あと義経の家来の一人が、昨年の伊達政宗役の長谷川朝晴さん、金売り吉次が市川左團次さんですね。どうもこの方は、『風林火山』の関東管領、上杉憲政の印象が強いです。次の『風林火山』では、憲政が上野を脱出して越後へと逃げますが、その子竜若丸は悲運に見舞われます。

飲み物-エールビール
[ 2017/12/09 00:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)

直虎と女性大河-22 『炎立つ』の結有の復讐心

このタイトルで書くのも、今回を含め後3回となりました。今までの女性主人公とは違うだろうと思っていただけに、4月半ば以降のありがちな女性大河化、さらに、オリキャラやフィクションを殊更にはめ込む制作方針は、観る意欲を大きく削ぐものでもありました。それでもドラマとして面白ければいいのですが、いつも主人公持ち上げの展開。どころか、最後の方になって、周囲が主人公に同調する流れになっては何をかいわんやです。NHKの制作陣も、かなり鈍化しているように見えます。

無論主人公だけでなく、男性陣の描き方もよくないと思います。周囲が皆物分かりのいい善人キャラで成立している。龍雲丸も最後は味方になる。しかもオリキャラであるこの龍雲丸、そして盗賊たちがやけに表に出て来ている。出すなとは言いませんが、あそこまで前面に出す必要もありません。そもそもオリキャラというのは、脇役においてこそのものでしょう。徳川家中も基本的に善人設定ですし、この点では描かれ方が違うとはいえ、昨年のチーム徳川の迫力とは雲泥の差があります。

また俳優の使い方もよくない。5月頃出たガイドブック後編で、小林薫さんと山本學さん以外のキャストで、ベテランの俳優さんがいないのに驚いたことがあります。恐らくは事務所と交渉できなかったのでしょう。しかもオリキャラで引っ張る時間が長く、年季を積んだ人にやらせるべき役がない、そういう脚本もベテランの人たちを遠ざけた一因ではないでしょうか。3月まではそれなりの人が出ていただけに、このギャップは大きなものでした。

それから、一つ前の回でおとわが徳川本陣に来るシーンがありました。要は父兄参観的な目的で、こんなことで、わざわざ本陣を訪ねることなど恐らくないでしょう。ところで最近『炎立つ』について書いていますが、この中でも、藤原経清の妻で清原清衡の母である結有が、もう一人の息子家衡と交渉したいからと、清衡と源義家の陣を訪れます。当然清衡は、女子の来るべき所ではござらぬと言うものの、最終的には母に交渉を頼むことになります。

兵糧攻めを受けていた家衡の本陣に、結有は握り飯を持って訪れ、それを貪るように食べる家衡に、清衡と義家に降るよう促します。結有は家衡を清衡と義家の陣に連れて行き、その後陣を後にした途端、家衡は殺されますが、こういう目的であれば、女性が本陣に入るのもありかとは思います。しかしおとわの場合は、それとはまったく異なっています。しかも『炎立つ』の場合、安倍一族の娘で、経清と夫婦になった結有と、その2人の息子である清衡は打倒清原を掲げていました。

無論結有も、清原家の先代当主武貞の子とはいえ、自分が産んだ家衡が可愛くないわけではありません。まして末っ子でもありました。しかし源頼義と組んで夫を殺した清原を、許すわけには行かなかったのでしょう。先日の『風林火山』でも、身内を殺されて敵の側室となった女性の生き様が登場しますが、これはなかなか凄まじいものがあります。女性を主人公にする場合は、こういう描写もあるべきかと思いますが、『八重の桜』以外は、戦すらあまり登場しない作品ばかりです。

飲み物-ラテアート
[ 2017/12/05 00:45 ] 大河ドラマ おんな城主 直虎 | TB(-) | CM(0)

『炎立つ』についてのあれこれ 2

2週間ほど前に、『炎立つ』について書いていますが、今回はその続きです。ドラマは前九年の役の時代から始まり、後三年の役と続きます。この2つの戦い、日本史の教科書に載っていたのを、思い出した人もいるでしょう。簡単に言ってしまえば、平安時代後期の東国平定で、第一部と第二部は、この戦いを中心に描かれています。とはいえ、前九年と後三年というのは、同じ東国における戦乱であっても多少事情が違います。前九年の役は、東国の有力豪族安倍氏と、中央勢力との対立であったといえます。この戦いは一旦休戦となりますが、その後再び勃発します。

第一部の主人公、藤原経清は安倍氏に投降し、かつては味方であった陸奥守源頼義を敵に回してしまいます。最終的に厨川の戦いで、安倍貞任はじめ一族は滅び、経清は処刑されます。経清の妻結有は幼い清丸(後の清衡)を連れて清原武貞と再婚し、第二部となります。武貞と結有の間に家衡が生まれますが、長男真衡と、親族の吉彦秀武や兄弟との諍いから後三年の役が起こります。これで生き残った主人公、武貞の二男清衡は藤原と姓を改め、平泉を奥州の中心地とします。第三部では藤原泰衡の時代となり、平家全盛時代から源頼朝の挙兵を経て衣川の戦い、奥州藤原氏の滅亡が描かれます。

ところで前九年の役の頃(1050~1060年代)は、関白藤原頼通の時代でした。この人物は藤原道長の子で、例の悪左府頼長の六代前の藤原家の氏長者(藤氏長者)です。この藤原頼通は、摂関政治の例に洩れず、自分の娘を語冷泉天皇に嫁がせて皇子を生ませ、その外祖父として権力を得ることを目論んでいました。しかし皇子は生まれず、次の後三条天皇は、藤原氏と直接の縁続きでない帝となりました。この点からも、時代の変化の兆しがみられるようになったといえます。また後三年の役当時(1080年代)には、白河上皇による院政が始まっています。

飲み物-キルシュビア
[ 2017/12/01 23:30 ] 大河ドラマ | TB(-) | CM(0)
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実は『いだてん~東京オリムピック噺~』を観なくなったので、再び『西郷どん』復習の投稿をアップしています。関連文献もまた読もうかと考えていますし、BSで再放送中の『葵 徳川三代』の再放送も観ています。そしてパペットホームズの続編ですが、これは是非とも三谷氏にお願いしたいところです。

他にも国内外の文化や歴史、『相棒』をはじめとする刑事ドラマについても、時々思い出したように書いています。ラグビー関連も週1またはそれ以上でアップしています。2019年、いよいよ日本でのワールドカップの年です。今季は代表下部チームとの兼ね合いもあり、スーパーラグビーでは今一つでしたが、ワールドカップでのベスト8成るでしょうか。

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